ショートストーリー・ショートソング

「冬の朝」

F1000266

続きを読む "「冬の朝」"

| | コメント (0) | トラックバック (0)
|

ショートストーリー・ショートソング Vol.3(4.10中野サンプラザ大会「ももクロ春の一大事~眩しさの中に君がいた~」LIVE DVD 発売記念!)

★☆★☆★【Twitter企画】女子高生4人が文芸部に入部して、短歌とともにすごす青春。登場人物の名前、性格・友人関係などの設定。イラストも大歓迎!ハッシュタグ #ei_tan を付けてつぶやこう!現在の設定→【まとめサイト】 短歌甲子園編、始動。→【とぅぎゃったーまとめ】TVアニメ『えいたん!』をつくろう!【エピソード集】 ★☆★☆★

 
「髪を切ることにした」

 
 あーもう嫌。もうやめたいの、「みんなの妹」なんて。

続きを読む "ショートストーリー・ショートソング Vol.3(4.10中野サンプラザ大会「ももクロ春の一大事~眩しさの中に君がいた~」LIVE DVD 発売記念!)"

| | コメント (0) | トラックバック (0)
|

ショートストーリー・ショートソング Vol.2(collaboration with Natsuto Itoh)

★☆★“Perfume”で付け句!第五弾「Dream Fighter」編、Perfume……?賞、大発表!!★☆★神……降臨?!No Music, No shortsong!!の意味を知りたい方は(→コチラをクリック!)★☆★


さて、このたび「かとちえの短歌ストーリー」が最終回を迎えました。そして、感動のアンコール企画「かとちえの短歌色物語」が2月25日、テーマ[白磁]のアップとなります。


それを記念しまして、かつて僕が「かとちえの短歌物語」と伊藤夏人さんが「かとちえの短歌ストーリー」に投稿した短歌をモチーフにショートストーリーを書きましたので、よかったらご覧ください。


※なお、この物語はフィクションであり、実在の人物・団体・事件などには僕の脳内で以外いっさい関係ありません。

続きを読む "ショートストーリー・ショートソング Vol.2(collaboration with Natsuto Itoh)"

| | コメント (7) | トラックバック (0)
|

ショートストーリー・ショートソングVol.1 <わからない>

<わからない>

違和感には気づいていた。

サークルではその印象しかないくらいに振りまいている笑顔が、いつのまにか消えていることも。
「きっと似合うから」といって僕がすすめてはかせたスカートの下の落ち着かなさげな脚の動きも。

ただ、どうすればいいのかわからなかった。
その頃の僕は、せっかく過ごせることになった二人の時間を少しでも長引かせることにやっきになっていた。しかしそれは決して、ユウの気持ちを考えての行動ではなかったということをその時はわからなかった。

こんなはずじゃないのに。
そう思えば思うほど、笑顔は固くなり、会話は弾まなくなる。

せっかくふたりきりになれたのに、独り占めしようと思っていたユウの笑顔は目の前になく、サークルの時とはまったくちがってしまった自分の姿におびえる顔がさらに僕の気持ちを落ち込ませた。

それなりにいろいろな観光地やデートスポットに行ったりしてようやく半年が経とうとしていた頃、海を見たがったユウの希望で、僕らは親の車を借りてドライブに出かけた。

「海に行くことがあったら、ふたりで写真を撮りたいね」

付き合い始めの頃のユウのセリフを高速に乗ってから思い出し、デジカメを忘れてしまったことをひどく後悔した。
使い捨てカメラを買おうか?と途中のコンビニでユウに持ちかけたけれど、ケータイで撮れるからいいんじゃない、という答えが返ってきた。僕は、それじゃあふたりで撮れないよ、という言葉を飲み込んでキーをドアーに差し込んだ。

長時間のドライブの末にどうにか海に着いたけれど、初秋を迎えた海水浴場に人はまばらだった。
僕らは靴をぬいで手をつなぎ、冷たい波に足を浸しながら無言で浜辺を歩いた。

そうだ、写真撮ろう、といってつないでいた手を離し、少し離れたところからケータイのカメラで彼女を撮った。
シャッターボタンを押した瞬間に強い風が吹き、長い髪が彼女の顔を覆ってしまった。それなのに、僕はもう一度撮らせてほしいという代わりに、芸術的に撮れたよなんていいながら、作り笑いでケータイをジーンズのポケットにしまった。

帰り道、助手席で寝息をたてている彼女の表情をどうしてだか見れなかった。その代わり、窓の外からの光のせいで白い脚に拭き残された砂粒だけがやけにはっきり見えて、痛々しく思えた。

都内に戻ってきた頃、起きだした彼女がお腹が空いたといったので、例によってお金のない僕たちは、ファミレスで夕食をとることにした。はじめは今日のデートの話をしていた僕らだったが、あまり盛り上がらないために唯一の共通の話題であるサークルの話になった。頭のどこかでは、こんな話ならサークルの時にでも話せるのに、とは思っていたが、ユウもおそらく同じだろう。しかし、ふたりともそのことを笑って言い出せる雰囲気ではなかった。

食後のコーヒーもあまり手を付けられることなく冷えていくばかりだったが、間が悪くなると決まって二人ともカップに手をのばすためにそれなりに量は減っていた。おもむろに僕らの席にきたウェイトレスが、コーヒーのお代わりはいかがですか?と聞いてきたのだが、僕はいったいこの先どうしたらいいのだろうと考えていたのでリアクションが遅れた。しかし、そのことなんてどうでもいいくらい、ユウは背中をソファにくっつけたままうなだれて何も言わなかった。

気まずい静寂が三人の間に流れ始めて、ウェイトレスが後ずさりして戻ろうとした時に唐突にユウが言った。

「もういいや……」

振り返りかけたウェイトレスは、何か見てはいけないものをみたかの用に「失礼しました……」と小声でいってお辞儀をしてそそくさと去っていった。ぼくはうろたえるウェイトレスの姿を視界の端に入れながらも、ユウに気づかれないように顔をテーブルに近づけてユウの表情からなんとか気持ちを読み取ろうとムダな努力をした。お代わりを頼みそびれてカップの底に残ったコーヒーを口にすると、苦味が胸に広がった。

車でユウを送っていく途中、半年間ユウと過ごした色々な光景が勝手に思い浮かんできてしまい、視界をまぶしくさせた。ユウの家までの道は身体に染み付いたかのようで、車はあと少しで確実にそこへとたどり着くことだろう。同時に僕らは、ある地点へとたどり着きもう二度と引き返すことはないだろう。

「ありがとう……」

そういって降りていったユウの後姿を見送りながら、やっぱりかわいいな、と思い少し笑顔が出たが、いつもとちがい玄関に入るときにユウは振り返らなかった。その決定的な事実を受け入れたくない気持ちをごまかすように、傍らのケータイを手に取った。

ふと思い出して、海で撮った写真を見てみようとカメラのフォルダを開いた。最新の撮影履歴にはユウの上半身の写真があった。風に吹き上げられた黒髪で隠れて、その表情は泣いているようにも、笑っているようにも見えた。

結局、なにもわかってあげられなかったな……。そう思いながらゆっくり、ゆっくりケータイを閉じた。

お代わりのコーヒーのこと?僕のこと?「もういいや」って顔も上げずに (岡本雅哉)


……このblogを愛読してくださる全ての方に。感謝を込めて。


参考エントリー:[ファミレス]短歌 紹介されました(かとちえの短歌ストーリー)


| | コメント (8) | トラックバック (0)
|

“おかまさの短歌ストーリー”for Natsuto Ito(ショートストーリー・ショートソングVol.0)

かとちえ師匠からお叱りを受けしだい削除いたします。

<ご挨拶>
こんにちは、岡本雅哉です。
“おかまさ”って愛称はどうかと思いますが。
さむ~。(というリアクションはどうでしょう。どうでしょうってきくまでもない感じですが)
今回のテーマは「プール」ということで「かとちえの短歌ストーリー」に応募されていたんですが残念ながら採り上げてもらえなかった伊藤なつとさんの短歌をお借りします。
ですが、実はわたし自身も不採用です。まるで採り上げられません。
どのくらい採り上げられないかというと、
かとちえの短歌教室が短歌ストーリーになる前、一緒に投稿する予定の友だちと自分が一方的にそう思いこんでいるひとと、
「ぼくは取り上げられないんだよね」「わたしもだよー」とか話していて、
投稿した後にはその友だちが、
「本当に取り上げられないっていうのは、雅哉みたいなことをいうんだね。それに比べると、わたし今回採用されちゃった。ごめん」というようなことを言い出すくらいです。
そういうことも1度や2度じゃないです。
でもくじけずに今月の作品にいきます。

<今月の作品> ~第6回テーマ「プール」~
  着れるまで

「はぁ……はぁ……コーチ…こんなの、入らないですっっ……」
「なにいってるんだよここまできて!さあ、もう少しの辛抱だよ」
「だって、わたしカラダ固いから……いぃっ痛い!」
「だいじょうぶか……ついあせっちゃったな……さあ、ゆっくり
入れればきっとだいじょうぶだよ……リラックス、リラックス……」

更衣室のドアごしに話すコーチとわたし。
コーチが持ってきた最新といわれる海外の水着は特殊な素材で
できていて、ほとんど伸びない。やっかいものだ。
ムリに着ても生地がいたむし、肌も赤くなるし、注目している人も
やたらと多いし、そもそも契約は他メーカーだし、めんどくさいと
言っていやがるわたしの言葉なんか、コーチは全然聞いてない
って感じで、最後は結局、こっちが折れることになるのだ、絶対。
若いんだしすぐに適応するんじゃねーの、と言ったコーチの予想
は、案の定、大きくはずれて、着るのに苦労しまくりだ。ほら
やっぱり初体験だし、すぐに着れるわけないじゃんと苦戦する
わたしなんてかまわず、ドアの外で、最初はやっぱローカル大会
からせめていくか、あー、全日本選手権もいいな、なんてひとり
ごとを続けている。明日も朝からすぽるとの取材とかあるんだ
から、平井理央ちゃん相手にはしゃぎすぎないようにしなよ、
と言うと、そこだけはしっかりと、大丈夫だって、爽やかアピール
のためにこんなに磨いたよ、と歯まで見せるように笑って答える。
 高校時代のコーチの、新聞取材での張り切り具合を思い出す。
他の新聞社の取材では全部わたしに任せてほぼ例外なく眠って
いるくせに、女性記者が来たときだけは、別人みたいに、明るく
コメントしていた。ブースで取材を受けている他の女子選手の
間でも、コーチって美人相手のときだけはプレス対応がんばり
まくってるね、と話題になって笑われてしまうほどに。あれから
三年ほどが経ち、コーチがわたし専属になり、わたしが大学生
となり、わたしたちが本音でどつき合うようになった今も、全然
変わらない。
 競泳の世界もやはり低年齢化が進み、年々若い選手たちが
台頭してきている。わたしもそれなりに第一人者として名前が
通っているし、長い経験から学んだものもあるから、そうそう
かんたんに負けるつもりはないのだが、やはり寄る年波には
勝てない。昔は10中8,9は勝てた大会も今は半分勝てれば
よいほうだ。でも、今回の選考会めざして、わたしも、コーチも、
貴重な時間を費やしてきた。そろそろ、水泳以外のしあわせも
考えなくてはいけない年になってきたわたしに、コーチは引退
してオレの嫁さんになるか?なんて本気なんだか冗談なんだか
わからない言葉をかけてきた。
なんであんたと?まっぴらごめんだ。
そんなわけで、万全を期すために、今回新しい水着を着てレース
に臨むことになったわけだ。
 着替えを済ませて、更衣室を出ると、コーチが待っていた。
遅いなー、と言いつつ嬉しそうなのは、これからどんな記録が
出るのかが本当に楽しみだからだろう。
 改めて外に出ると、肌に強い締め付けを感じた。ローションは
しっかり塗ってムリヤリ水着に身体を入れてきたものの、帰る
頃には赤くなってしまいそうだ。改めて、少しだけ文句を言おう
と思って、隣のコーチに目をやると、ちょうど彼も、笑いを貼り
つけたままこっちを見た。
「早く行こう。表彰台がお前を呼んでる気がする」
 呼んでないよというわたしのつっこみもろくに聞かずに、
そのまま嬉しそうに歩いて行くので、口から出かけた文句は、
そのまま行き場を失ってしまう。小走りで後を追った。
 はしゃぎすぎないようにというわたしの忠告なんてなかった
みたいに、さんざんしゃべりまくっておべっかを使いに使った
コーチの姿は今はない。帰りのマイクロバス内、隣の席に
座って、眠いという言葉を連発している。
実際、見るからにまぶたが重そうで、今にも眠ってしまいそう
に見える。うっすらと赤くなった肩甲骨をこすりながら、言った。
「だから、はしゃぎすぎないようにって言ったのにー。結局水着破れちゃったじゃん。あれ高いんでしょ?弁償できるの?」「まじ無理。お金のことは考えたくない」「だめじゃん」
そう言ったわたしの肩に、コーチが頭を乗せる。完全に寝る気だ。
これならバレないと思いつつ、クスリと笑いながらズラをゆっくり
外したときに、コーチが目をとじたまま、言った。
「今日、すごい楽しみだった。次の選考会こそは新しい水着
ためそうよ」
「あの水着、きつすぎるから、やですよ」
「えー、なんでだよ」
 答えるコーチは、きっと一分後には眠っているだろう。
ほんと髪の毛ないなあ、と再び思いながらも、おととい、マツ
キヨでふたりで真剣に養毛剤を探したことや、練習中プールで
流されていたコーチのズラなんかを思い出して、思わず笑って
しまいそうになった。全然アタマへの注意散漫な、競泳の
仕事が好きなコーチ。
 新型水着、今日のはだめになっちゃったから、新しいのを
合わせにいかなきゃ。コーチのアタマを肩からはずしながら、
わたしも目を閉じた。

この水着着れば三秒速くなる着なけりゃ僕と幸せになる(伊藤なつと)


powered by 「やわらかいと納豆

| | コメント (2) | トラックバック (0)
|