« 好きすぎる#22&cocoonと企画いろいろ(みかこさん) | トップページ | 「対決!現代短歌の前線Ⅱ」第5回“ネット系 vs 結社系”にいってきました(現代歌人協会公開講座) »

画材と文体について(山下以登個展「クロムイエロー」)

先日、見にいってきました絵画展についてすこし書きたいと思います。


山下以登さんとは、そもそも短歌つながりのお知り合いです。
「中野玉子」という名前で「枡野浩一のかんたん短歌blog」や、「笹短歌ドットコム」に投稿されていました。

「かんたん短歌」にはときどき挿絵が採用されていて、
なにやらマヨネーズの容器みたいな曲線の人物を描く人がいる!
と衝撃を受けていました。

現在は、本業のイラストレーションに専念されているのですが、
まめに展示会のお知らせをいただいておりまして、
まれに、ほんとごくまれにというか一回しかいったことない……お邪魔したりする仲です。


このたび、個展「クロムイエロー」のお知らせハガキをいただいたので行ってきました。

※一部はホームページの「GALLARY」で見られます。
01_Airy>Color 1(→コチラ
01_Airy>Color 2(→コチラ

僕が好きだと思った作品は、

●フェス父

……父のハラたぽ感。

●開けてもいい

……「プリングルス・サワークリーム&オニオン」というアイテムのチョイス&香り拡がる瞬間のワクワク感とシンクロする☆マーク。

●でかけることにします(→画像

……緑のドアが、昔住んでいた家を思い出させました。

●エアワンワン

……とろける感じの色合いがよかったです。

*

「クロムイエロー」という名の通り、
黄色、オレンジ色のイラストが多かったです。

例:(その1)、(その2

とても発色がよいので、
おはなしを伺うと、
“ダーマトグラフ®”をメイン、
プラス色鉛筆で板の上に描いたとのことでした。

ダーマトグラフは、
雑誌を編集するときなどに、
ポジに直接書ける筆記用具とのことでした。

こんなやつです(→コチラ)。むきたい。

こういった画材に出会うことにより、
出来上がる絵もまた、新しい姿に変わるんだなと思いました。
これはいい出会い。

「イラストレーターの画材って、歌人では文体に相当するのかな」

先日行ってきた、
現代歌人協会公開講座で、
短歌の文体について論じられていたことを思い出しました。

短歌の文体が変わると、その構造が変わり、それが流通する対象まで変わる。

「僕が文語を使ったら、どんな短歌が生まれるのかな」

しかし、新しい画材であれ、文体であれ、
使いこなしてこそ、ということには変わらないでしょうから、
まだまだ口語で詠むことにはなるでしょうが。


すいません、横道にそれました。


全体的な印象ですが、
山下さんの描かれるこどもたちは、
表情がはっきりしておりません。。

伏し目がちだったり、
横顔だったり、
髪の毛に隠れていたり、
後頭部しか見えなかったり。

ところが、不思議なことに、
自分の目が、絵の中のこどもたちの目線の先を追ってしまうんですよ。
というか、その視線の先に思いを巡らしてしまうというか。

楽しい感覚でした。


それから、この個展を見にいった翌日、
Twitterで、こんなつぶやきを見つけました。

@tawarayasotatsu 長男の幼稚園は、お描きで髪の毛をオレンジに塗った息子にやり直しをさせる。先日も林檎を違う色に塗り静物画をやり直しさせられたらしい…幼稚園の教育では自由な感性こそ大切にして欲しい。
6:23 PM Sep 29th @aoisoraha)

今回見た絵を、その幼稚園の先生にこそ見てほしい。
いや、この息子さんといっしょに見てあげてほしい。

いいから。

|
|

« 好きすぎる#22&cocoonと企画いろいろ(みかこさん) | トップページ | 「対決!現代短歌の前線Ⅱ」第5回“ネット系 vs 結社系”にいってきました(現代歌人協会公開講座) »

コメント

 素敵な感想をありがとうございます。
感慨を平坦にただ「うれしいです」と書いても表現しきれないのですが、とてもうれしい。

「画材=文体を変える」は、難しいけれど微妙に違うかなあ。私の場合は大幅に変わりましたが、そうではない描き手は多く、なぜ私はそういう風にできないのか自分でも悩みどころなので。

 今、大きく分けてふたつのスタイルを持っていることと、そのことに対する自分自身での考え方は、とてもではないけれど書ききれませんでした。書こうとはしたのですよ、書いては消し、書いては消しで、つぎはぎの長文は一晩置かないと出してはいけない手紙みたいな様相を呈してきたので、ひとまずはお礼を述べさせていただくに留めることにしました。

本当にどうもありがとう。
今日も明日もまず自分が楽しく描いていたい。

そして誰よりもまず自分自身が驚けるような絵を描きたい。
今はそんな描き方をしています。

どんな心持ちで描くか、どんな描き方をするか、それすらも試行錯誤で、でも自分で決めつけないということだけを決めつけて描いていきます。

「オレンジの髪、綺麗だと思ったから塗ったんだ。」
@tawarayasotatsuさんの息子さんの先生に、この気持ちが届くといいなあ。

投稿: 山下以登 | 2010年10月18日 (月) 16時53分

姉さん、超マジレスありがとうございます(笑)!しかもレスポンス早いし!ボリュームもたっぷり!

「画材=文体を変える」っていうことに関してなんですが、短歌に例えると、口語・文語の両方で詠んでいる方はいて、しかしどちらの表記においても作者らしさが感じられればいい、という位に受け取っておいていただければ。

なにより、姉さんの“らしさ”は絵筆で表していけばよいものなので、文章にはしなくても、全然オッケーであると思いますし♪
新たなる作品で、また驚かせてください。

オレンジの髪、いいよね!
オレンジに見えること、あると思うんだ。

投稿: 岡本雅哉 | 2010年10月19日 (火) 11時39分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/145038/49613685

この記事へのトラックバック一覧です: 画材と文体について(山下以登個展「クロムイエロー」):

« 好きすぎる#22&cocoonと企画いろいろ(みかこさん) | トップページ | 「対決!現代短歌の前線Ⅱ」第5回“ネット系 vs 結社系”にいってきました(現代歌人協会公開講座) »