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「ロクニン デ イッショ♪」第3回“みずな”編(ゴニン デ イッシュ)

★☆★教室の窓を大きく開け放つ逃げられないと分かってはいる(岡本雅哉)―“単語帳みたいな短歌集”「Schoolgirl Trips」より抜粋★☆★作品の詳細については(→コチラ)★☆★


◆◇◆11/27追記しました◆◇◆


よろこんでもらえる人がいる限り。

僕は書こう。

石川美南さんのすばらしい企画への便乗企画、早くも3回目となりました。(みかこさんといい、便乗ばかりでごめんなさい……)


まず冒頭に、お知らせから。

記念すべき「ゴニン デ イッシュ」第一回の5人に選ばれ、当ブログでも紹介させてもらっていた元ぱふゅ~ま~ずのチェンジアッパー(CU)くんが、このたび短歌結社・塔短歌会に入会したそうです。ちなみに、筆名は屏真太郎になります。CUは、今はネットや新聞の投稿はほとんどせずに、結社以外ではN短をはじめとして短歌大会への投稿を主にしているそうです。塔短歌会からは、以前からお誘いを受けていたそうなので、やはり若い才能っていうのは放っておかれないな……でも同年代でバリバリ活躍している人も既にいるみたいなんでCUは燃えています♪
塔短歌会には、白石瑞紀さん西野明日香さんも所属されていますね!仲良くしてあげてください(親目線)。

そうそう結社といえば、文月郁葉さんナイル短歌工房へ、そしてイマイさんも短歌人会へと入会されたんですよね……みなさんやはりお誘いがあったそうなので、才能は放っておかれないな……

新たな門出を迎えられたみなさんの益々のご活躍をお祈りします!


さて、そろそろはじめましょうか~!

「ゴニン デ イッシュ」第3回は歌人・今橋愛さんの『O脚の膝』から、

「水菜買いにきた」
三時間高速をとばしてこのへやに
みずな
かいに。

がテーマです。


それでは、僕の鑑賞から。
(今回は、他の方のものを読む前に鑑賞しました)


★ロクニン デ イッショ♪★

【第3回(卵)】 岡本雅哉――絶対的な信頼


「水菜買いにきた」
三時間高速をとばしてこのへやに
みずな
かいに。
(今橋愛『O脚の膝』)


この歌の主人公=作者として読みます。

はじめに詞書(ことばがき)があって、「水菜買いにきた」とある。
そして短歌の冒頭は、「三時間高速をとばしてこのへやに」ではじまる。
若干字余りではあるが、上の句としてふつうに読める。

しかし次は、「みずな」
そしてブランク……。

さらに、改行したと思ったら「かいに。」
またブランク……。

以上。

なに、なんなのこれ?

“短歌とは5・7・5・7・7を基本とする短詩形”という概念が、ゆらぐ。
さらに、おそらく男性のものと思われる「へや」であるが、そこに「みずな」を「かいに。」きた、との作者の発言に常識が揺さぶられる。この子のいっている意味がわからない……。


そこにかいま見えるのは、一見わがままに思える程の、作者の“絶対的な信頼”の姿である。


作者は知っているのだ。

「みずな」、「かいに。」と言われた男性が、んなわけねーだろ!と笑って突っ込んでくることを。
無理ないいわけまでして会いにきた彼女の思いを察し、だまって部屋に導きいれることを。

理不尽な内容をもってしても、破綻寸前の形をとっても、なおゆるがない“短歌”という詩の存在を。

そしてこれを“短歌”として味わう僕たち読者がいることを。


厳しい言葉でいえば、それは甘えなのかもしれない。
しかし、非常識な、または勝手な、またはなんの脈絡もない突飛な言動の裏に“絶対的な信頼”が見え隠れするとき、それを許すものにとっては却って大きな魅力となってしまうのだ。
そしてそれは、一見わかりにくい。

最後に、この読みのきっかけを与えてくれた曲から、歌詞の一部を紹介する。

そんな 退屈なフリして 今は 気分じゃないとか
きっと キミは言うけど ホントは そうじゃない
どうだっていいみたい感じ 不器用な表情も好きだよ
みんながいる前では いつだってそう
まるで機嫌悪いみたい こんなやつって態度して
見えない角度で手をつないできた
絶対的な信頼と 対照的な行動 絶望的な運命が ある日恋に変わる
一方的な表現の ツンデレーション キミが好き わかりにくいね puppy love
(Perfume『Puppy love』より一部抜粋)

岡本雅哉(おかもと・まさや)
東京都生まれ。32歳、枡野浩一の「かんたん短歌blog」をきっかけに作歌を始める。
主に「かんたん短歌blog」、「笹短歌ドットコム」、「かとちえの短歌教室シリーズ」等に投稿。
2008年5月、「エレクトロ・ワールド編」にて、Perfumeの楽曲の歌詞の一節を使って行う“Perfume”で付け句!企画を開始する。
現在、題詠blog2008の出詠をもとに自主制作した単語帳風短歌集『Schoolgirl Trips』を販売中。


……お粗末さまでした。


さて、本来の「ゴニン デ イッシュ」、今回も石川美南さんならではの豪華なメンバーが鑑賞されています。


僕の“鑑賞の印象”は。

奥田亡羊さん――そういう形にして読み解きましたか!目からうろこ。
小島なおさん――こんなにピュアな人!それは夢か現実か……。
佐藤通雅さん――ミズナ!?そっちですかー!男目線で。
永井祐さん――遠いところから「お元気で」。
錦見映理子さん――ズバリ、このシチュエーションかも!


これをごらんになって、「なにこれそわい……」と思った方は、すぐさま実際の鑑賞文(→コチラ)をご覧くださいね。それではまた。

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コメント

岡本さん、こんばんはー。

なるほど、そういう読みだったんですね!
私は岡本さんの逆で
彼がそういう言い訳をして自分の部屋に会いに来た、と読みました。

私は思い切り自分の経験になぞらえて読んでしまったので逆になったわけですが(「みずなかいに」ではなかったけど 笑)、主語がないので自由に読めて面白いですねー。

投稿: みつき | 2009年11月25日 (水) 22時58分

こんにちは、みつきさん!

それで三時間かけてへやにきたのが現在の夫、というわけですね……ごちそうさまです。あ、鍋でいいです。みずなとか入れて(笑)

僕の印象では、今橋さんは三時間高速ぶっ飛ばして彼氏に会いに行くタイプかなと思ったんですが、みつきさんは逆に来させるタイプなんですね?
自分にひきつけて歌を鑑賞するのも、楽しいですね♪

投稿: 岡本雅哉 | 2009年11月26日 (木) 12時05分

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