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“おかまさの短歌ストーリー”for Natsuto Ito(ショートストーリー・ショートソングVol.0)

かとちえ師匠からお叱りを受けしだい削除いたします。

<ご挨拶>
こんにちは、岡本雅哉です。
“おかまさ”って愛称はどうかと思いますが。
さむ~。(というリアクションはどうでしょう。どうでしょうってきくまでもない感じですが)
今回のテーマは「プール」ということで「かとちえの短歌ストーリー」に応募されていたんですが残念ながら採り上げてもらえなかった伊藤なつとさんの短歌をお借りします。
ですが、実はわたし自身も不採用です。まるで採り上げられません。
どのくらい採り上げられないかというと、
かとちえの短歌教室が短歌ストーリーになる前、一緒に投稿する予定の友だちと自分が一方的にそう思いこんでいるひとと、
「ぼくは取り上げられないんだよね」「わたしもだよー」とか話していて、
投稿した後にはその友だちが、
「本当に取り上げられないっていうのは、雅哉みたいなことをいうんだね。それに比べると、わたし今回採用されちゃった。ごめん」というようなことを言い出すくらいです。
そういうことも1度や2度じゃないです。
でもくじけずに今月の作品にいきます。

<今月の作品> ~第6回テーマ「プール」~
  着れるまで

「はぁ……はぁ……コーチ…こんなの、入らないですっっ……」
「なにいってるんだよここまできて!さあ、もう少しの辛抱だよ」
「だって、わたしカラダ固いから……いぃっ痛い!」
「だいじょうぶか……ついあせっちゃったな……さあ、ゆっくり
入れればきっとだいじょうぶだよ……リラックス、リラックス……」

更衣室のドアごしに話すコーチとわたし。
コーチが持ってきた最新といわれる海外の水着は特殊な素材で
できていて、ほとんど伸びない。やっかいものだ。
ムリに着ても生地がいたむし、肌も赤くなるし、注目している人も
やたらと多いし、そもそも契約は他メーカーだし、めんどくさいと
言っていやがるわたしの言葉なんか、コーチは全然聞いてない
って感じで、最後は結局、こっちが折れることになるのだ、絶対。
若いんだしすぐに適応するんじゃねーの、と言ったコーチの予想
は、案の定、大きくはずれて、着るのに苦労しまくりだ。ほら
やっぱり初体験だし、すぐに着れるわけないじゃんと苦戦する
わたしなんてかまわず、ドアの外で、最初はやっぱローカル大会
からせめていくか、あー、全日本選手権もいいな、なんてひとり
ごとを続けている。明日も朝からすぽるとの取材とかあるんだ
から、平井理央ちゃん相手にはしゃぎすぎないようにしなよ、
と言うと、そこだけはしっかりと、大丈夫だって、爽やかアピール
のためにこんなに磨いたよ、と歯まで見せるように笑って答える。
 高校時代のコーチの、新聞取材での張り切り具合を思い出す。
他の新聞社の取材では全部わたしに任せてほぼ例外なく眠って
いるくせに、女性記者が来たときだけは、別人みたいに、明るく
コメントしていた。ブースで取材を受けている他の女子選手の
間でも、コーチって美人相手のときだけはプレス対応がんばり
まくってるね、と話題になって笑われてしまうほどに。あれから
三年ほどが経ち、コーチがわたし専属になり、わたしが大学生
となり、わたしたちが本音でどつき合うようになった今も、全然
変わらない。
 競泳の世界もやはり低年齢化が進み、年々若い選手たちが
台頭してきている。わたしもそれなりに第一人者として名前が
通っているし、長い経験から学んだものもあるから、そうそう
かんたんに負けるつもりはないのだが、やはり寄る年波には
勝てない。昔は10中8,9は勝てた大会も今は半分勝てれば
よいほうだ。でも、今回の選考会めざして、わたしも、コーチも、
貴重な時間を費やしてきた。そろそろ、水泳以外のしあわせも
考えなくてはいけない年になってきたわたしに、コーチは引退
してオレの嫁さんになるか?なんて本気なんだか冗談なんだか
わからない言葉をかけてきた。
なんであんたと?まっぴらごめんだ。
そんなわけで、万全を期すために、今回新しい水着を着てレース
に臨むことになったわけだ。
 着替えを済ませて、更衣室を出ると、コーチが待っていた。
遅いなー、と言いつつ嬉しそうなのは、これからどんな記録が
出るのかが本当に楽しみだからだろう。
 改めて外に出ると、肌に強い締め付けを感じた。ローションは
しっかり塗ってムリヤリ水着に身体を入れてきたものの、帰る
頃には赤くなってしまいそうだ。改めて、少しだけ文句を言おう
と思って、隣のコーチに目をやると、ちょうど彼も、笑いを貼り
つけたままこっちを見た。
「早く行こう。表彰台がお前を呼んでる気がする」
 呼んでないよというわたしのつっこみもろくに聞かずに、
そのまま嬉しそうに歩いて行くので、口から出かけた文句は、
そのまま行き場を失ってしまう。小走りで後を追った。
 はしゃぎすぎないようにというわたしの忠告なんてなかった
みたいに、さんざんしゃべりまくっておべっかを使いに使った
コーチの姿は今はない。帰りのマイクロバス内、隣の席に
座って、眠いという言葉を連発している。
実際、見るからにまぶたが重そうで、今にも眠ってしまいそう
に見える。うっすらと赤くなった肩甲骨をこすりながら、言った。
「だから、はしゃぎすぎないようにって言ったのにー。結局水着破れちゃったじゃん。あれ高いんでしょ?弁償できるの?」「まじ無理。お金のことは考えたくない」「だめじゃん」
そう言ったわたしの肩に、コーチが頭を乗せる。完全に寝る気だ。
これならバレないと思いつつ、クスリと笑いながらズラをゆっくり
外したときに、コーチが目をとじたまま、言った。
「今日、すごい楽しみだった。次の選考会こそは新しい水着
ためそうよ」
「あの水着、きつすぎるから、やですよ」
「えー、なんでだよ」
 答えるコーチは、きっと一分後には眠っているだろう。
ほんと髪の毛ないなあ、と再び思いながらも、おととい、マツ
キヨでふたりで真剣に養毛剤を探したことや、練習中プールで
流されていたコーチのズラなんかを思い出して、思わず笑って
しまいそうになった。全然アタマへの注意散漫な、競泳の
仕事が好きなコーチ。
 新型水着、今日のはだめになっちゃったから、新しいのを
合わせにいかなきゃ。コーチのアタマを肩からはずしながら、
わたしも目を閉じた。

この水着着れば三秒速くなる着なけりゃ僕と幸せになる(伊藤なつと)


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コメント

おかまささん・・・・・

めちゃめちゃ笑っちゃいまいたが、
作者の意図に沿っていますか?

僕の為にこんな危険を犯していただき
ありがとうございます。

勇気が湧いてきました。
僕も、がんばります!

でも、やっぱりおかまさはないですよね(笑)

投稿: 伊藤なつと | 2008年7月16日 (水) 23時47分

いとなつさん。

“おかまさ”、というニックネームから“オカマさ”と深読みをされて「ああ~、新宿二丁目とかにいる感じの~♪」なんていわれている妄想がとまらない岡本雅哉です……

あなたの短歌からは、この展開しか考えられませんでした(笑)

これからは、ふつうの短歌ブログに戻ります……(とかいって“Perfume”で付け句!鋭意募集中!!女子のみなさん、見すてないでください)

投稿: 岡本雅哉 | 2008年7月22日 (火) 13時26分

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