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「カフェ」短歌4

懐かしい苦みばしったその顔で甘い言葉をささやく君が (岡本雅哉)

……渋谷の裏通りのさらに裏通り、民家を改造した店舗。ポンプのブクブクのホースが伸びている金魚鉢が多数あるカフェ。首輪はしているが野良に限りなく近い猫達が、マスターの奥さんお手製のクッションの上でごろごろしている。マスターは若い頃ヒマラヤだのアコンガクアだの、世界各地の高山に登るのが趣味だったため、店のそこかしこにエスニックな置物や、シェルパ等の現地人と一緒にとった写真が無造作におかれており、その雑然とした雰囲気も常連から見るとこの店の居心地のよさにつながっている。この店を紹介してくれた男は大学の演劇同好会の4コ上の先輩であるが、留年に留年を繰り返しているため一般教養の授業では隣の席に座る。しかしいつも寝ているためにノートをコピーさせてあげている。その見返りとしていつもこのカフェでコーヒーをおごってくれる。そして、入れ込んでいる作家や小劇団についてなにやら難しい顔をして熱く語るのだが、その内容は難解すぎて全く興味が湧かない(笑)。それなのに、一緒にいるのが不思議と好きだった。

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